2024年2月16日

筋トレ効果を高める姿勢「パワーポジション」とは?やり方とフォームの作り方

「パワーポジション」をご存知でしょうか。

パワーポジションとは、「もっとも力が出やすい構え」のような基本姿勢のこと。普段のトレーニング時から意識して行うことで、筋トレの効果を高めるだけでなく、サッカーやテニス、バスケなど競技パフォーマンスの向上にも大きく役立ちます。

また、パワーポジションは、スポーツ選手だけでなく一般の方もトレーニング時に活用できる姿勢です。

今回はそのメリットと姿勢のやり方を解説します。

パワーポジションの効果とは

瞬時に素早く動く力を身につけることができる

パワーポジションをとることで、静止状態から前後左右への動き出しや素早い切り返し動作が可能になる、瞬時に力を発揮できるようになるなど、パフォーマンス向上にさまざまなメリットがあります。

具体的には以下のシーンなどが挙げられます。

  • 野球の守備やテニスなどで行う、前後左右への素早い動き
  • サッカーやバスケットボールで、相手選手がドリブルで抜きにきた際に行う、素早い左右の動き
  • サッカーやハンドボールなどで、ゴールキーパーがシュートへの対応で1歩目を素早く出す動き

ケガのリスクを低くする

力の発揮だけでなく、ケガのリスクを抑えることができるというのも大きなメリットです。

素早い切り返し動作には、関節や筋肉へ思った以上のストレスがかかっています。特に腰や膝は、悪体勢の状態で力を発揮したことによる大ケガが少なくありません。

そのようなケガを防ぐためにも、普段から無意識にパワーポジションをとれるようにしておくことが重要です。

パワーポジションの正しい作り方

では、さっそくパワーポジションをやってみましょう。作り方は以下の通りです。

  1. 足は肩幅よりも少し広めに開き、つま先は膝と同じ方向へ向ける
  2. 背中をまっすぐにしたまま上体を前に傾け、お尻を後ろに引くように股関節を曲げる
  3. 股関節と同時に膝も曲げていき、上体と下腿部が平行になるくらいのところでキープする
  4. 肩に力を入れず、肩甲骨を軽く寄せておく

重要なポイントは、“骨盤を軽く前傾させて股関節をしっかり曲げる”こと。そうすることで、下半身でもっとも強い力を発揮できるお尻の筋肉を使うことができます。

上体を落とす際に膝を曲げて重心を低くするのではなく、股関節を曲げる意識をしておくとよいでしょう。

注意したいポイント

また、NGポイントとして気をつけておきたいのが“膝の向き”です。膝の向きが内側に入り内股になってしまうと、力が発揮できないだけでなくケガのリスクが高まります。

つま先の向きと膝の向きは同じ方向にしましょう。内股の癖がある人は特に注意が必要です。

ジャンプ後の着地時でも無意識にパワーポジションがとれるよう、誰かにチェックしてもらいながら感覚をつかんでください。

うまくできない原因と対処法

パワーポジションがうまくとれなかったり、動き出しがスムーズに行えない場合、いくつかの原因が考えられます。

柔軟性が低い

お尻(臀筋群)、股関節まわりの筋肉や太ももの後ろの筋肉(ハムストリングス)、足首まわりの筋肉(下腿三頭筋など)が硬くて関節の可動域が狭い場合、パワーポジションを保つことが難しくなります。

柔軟性が低い人は、パワーポジションの練習と並行してストレッチなどを積極的に取り入れ、関節の可動域を広げておくとよいでしょう。

関連記事:正しい筋トレ効果を得るために。自宅でできる、可動域を広げるストレッチ3選

体幹部の筋力が弱い

素早い動き出しには、下半身だけでなく体幹の筋力も重要です。

体幹の筋力が弱ければ動き出しの際に体がブレてしまい、上半身に力がスムーズに伝達されないなどのロスが生じるでしょう。

疲労が溜まったときは、特にパフォーマンスに影響を与えます。体幹トレーニングを行い、体幹部の筋力を高めておきましょう。

関連記事:正しい体幹の鍛え方は?体幹トレーニングの効果を上げる4つのポイント

パワーポジションとは「正しいスクワット」の姿勢である

実際にパワーポジションを作ってみた方は感じたかもしれませんが、パワーポジションとは「正しいスクワット」の姿勢であるともいえます。

そのため、正しい姿勢でスクワットを行えば、自然とパワーポジションを作りやすいでしょう。

逆に日頃からスクワットを行っている場合でも、パワーポジションを作った際に窮屈な感じがするのであれば、実はスクワットも正しくできていない可能性があるでしょう。

重量を増やすほど姿勢が崩れやすく、パワーポジションが保ちにくくなります。そのため、まずは軽い負荷でパワーポジションを意識しながら行うようにしてください。

スクワットを行えば、パワーポジションがうまく作れない原因である柔軟性の低下改善や、体幹強化を同時に行えます。パワーポジションの習得を目指すなら、スクワットも積極的にトレーニングへ取り入れましょう。

関連記事:筋トレの王道「スクワット」を徹底解説。トレーニング効果・鍛えられる部位・正しい姿勢とやり方・回数の目安

筆者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。
日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳>