インタビュー
ウェルネスフード
2017年6月29日

【アスリートの妻が教えるとっておきレシピ #1】食べたいものを楽しく食べることが大切。リクエストを聞いて、副菜で工夫!サッカー増嶋竜也の妻・潮田玲子<前編>

 スポーツ選手を夫に持つアスリートの妻(アス妻)。ご自身も著名人として活躍されている注目のアス妻たちにご登場いただき、食事作りや勝負メシ、さらには日々の暮らしのことなどをお訊きしようという新連載。

 第1回は、元バドミントン日本代表選手でご自身もアスリートとして活躍された潮田玲子さん。夏には2人目のお子さんの出産を控えた働くお母さんでもあります。テレビ番組の収録後に伺ったこの日は、産休前最後のお仕事だったとか。もうすぐ生まれてくる新しい家族を迎える直前の潮田さんのアス妻ぶりに迫ります!

試合前日はパスタがメイン。炭水化物でパワーチャージ!

ーー潮田さん自身が元アスリートでしたが、アスリートの妻として改めて日々、食事作りで気をつけていることや工夫していることは?

 一番気をつけているのはバランスですね。食事を作るときに、できるだけバランスのいい食事を提供するようにしています。

——それは組み合わせですか?

 組み合わせと、あとはやっぱり野菜、たんぱく質、炭水化物といった栄養素にも気をつけています。

——旦那さまの試合前とかオフとかで、食事メニューは違ったりするのでしょうか?

 そうですね。ウェイトトレーニングとかをやった日などは、たんぱく質をメインに考えます。それと、試合前日は炭水化物をしっかり摂れるようにパスタをメインにしています。やっぱりエネルギー補給が重要なので。それにパスタは消化も良かったりするので、試合前日はパスタ! が、わが家のルールです(笑)。

——では、パスタのレパートリーもたくさん?

 いや、そんなにパスタは得意な方ではないので、たくさんある訳ではないんですけど、わりとシンプルなものが多いですね。ミートソースとか。でも「なに食べたい?」って聞くようにはしていますね。そうすると「ミートソースがいい」とか(笑)。

——クリーム系がいいとかも?

 あんまりクリーム系は選ばないですね、カロリーを気にして。ストイックな方なので、けっこう本人が気にするんです。逆にオフのときとかは、普段すごく節制して食べるものも選んでいるので、オフのときは彼の食べたいものっていう感じですね(笑)。

インスタにアップされた品数豊富な潮田メシ。調理時間や買い物など潮田流ダンドリとは?

——潮田さんのインスタとか拝見すると毎回品数豊富な食卓ですが、お料理の時間はどれくらい?

 1時間とか、1時間半ぐらいですかね。

——それは段取り上手! では、献立を1週間分とか決めているんでしょうか?

 いや、ぜんぜん! もう、その日の気分という感じです(笑)。あとは本人に食べたいものとかを聞くようにしていて「今日は何がいい?」と聞いて、これが食べたいっていうとそれを作ったりとか。お肉が好きなので、肉料理が多くなったりするんですけど、2〜3日お肉が続いたら今日は魚にしようとか勝手にやって。あとは、買い物に行く前に冷蔵庫の中を見て「ああ、今日はこれがあるからこれにしよう」とか、「これをプラスしよう」とか。もう、1週間の献立なんて、到底立てられないです!

——お買い物は週に1回とか?

 いや、私はあんまり買いだめができなくて。食材を腐らせちゃったりするのがすごく嫌なので、大体2日に1回っていう感じですね。

——それは、普通のご家庭の奥様と一緒ですね。

 そうですね、1週間きっちり考えて買ってという感じではないですね。たまに主人に電話して「帰りに玉ねぎ買ってきてー」とかもあります(笑)

——増嶋選手が買ってきてくれるんですか!?

 「牛乳買ってきて」とか連絡すれば、普通に買ってきてくれますよ(笑)。

楽しく食べられるものが勝負メシ。喜んで食べてもらえるものが一番!

——大事な試合前など「ここぞ」というときの勝負メシはありますか?

 勝負メシ的なものはないんですけど、主人がすごく好きでよくリクエストするのが『鶏むね肉のネギソース』(※レシピはのちほどご紹介!)です。本当に「え、またぁ〜」っていうぐらい食べたい、食べたいっていうので、主人にだけ作ったり(笑)。勝負メシではないですけど、これはよく作りますね、わが家では。

——喜んで食べてもらえるものが一番ですよね。

 そうですね、一番だと思います。練習後に疲れてたり、食欲もいつもある訳じゃなくて、でも食べるのが仕事だったりもするので、やっぱり楽しんで食べてもらいたい。こっちがムリに作って「食べて、食べて」っていってもそれは楽しいものじゃないと思うので、主人が喜ぶようにはやりたいと思いますね。やっぱり本人がすごく気をつけているので、せめて好きなもので、その中でも食べやすいものとか、その日の気分とかにあわせて。それプラス、それにあう副菜を考えて栄養やバランスをとっていますね。

——アスリートを日々の食事で支えなきゃってストイックにという感じではなく、本当に普通のご家庭で皆さんが楽しんでいるように好きなものを楽しくという感じなんですね。

 そうですね。でも自分がアスリートだったので、現役のときに栄養指導をさんざん受けてきたので、だいたい何を食べればいいかっていうのがわかるというか。これをこうやればいいっていうのがわかっているので、それをそろえて出せばいいのかなって。

——毎日の食事作り。作りたくないなと思うこともあると思うのですが、そういうときでも楽しくやる潮田さん的コツは?

 うーん、でもやっぱり食べてくれる人がいないと作る気は起きないなって、私はすごく思います。主人とあとは今、息子もだいぶ言葉が出るようになってきて「おいしい、おいしい」っていいながら食べてくれるのがもう、一番です。それで何よりうれしいのは、ごはんを食べて「うまーい」って自然に出た感じのときは「しめしめ」って。「何がおいしかった?」って感じですよね(笑)。

アス飯にはやっぱりお米! アスリートは「おにぎり」でパワーチャージする!?

——朝食では、どんなものを作りますか?

 毎朝おにぎりっていうのが決まりです。結婚したときからずっとそうで、主人が車の移動の中でおにぎりを食べたいって、なんかその空間が好きみたいで。だから朝食はいつもおにぎりをにぎって、あとは水筒にコーヒーを入れて持って行ってます。

——おにぎりとコーヒーですか!?

 そうです。朝はいつも(笑)。パンだと腹持ちが悪いみたいで、でも食べ過ぎると重くて身体が動かなくなるので、おにぎりだけでいいと。最近はそこにちょっとスムージーとかを最初に飲んでもらって、おにぎりを持って行くという感じです。

——では、中身の具を工夫されたり? なにが一番いいとかありますか?

 そうですね。いろいろ具を変えてみたりとかしていますが、まあ、おにぎりですからね、そんなに変わらないですけど(笑)。でも明太子が好きみたいで、私も福岡出身で明太子は大好きなので福岡から取り寄せたりはします。

——スポーツをするお子さんなどがいる家庭では、これを常備しておくといいよといったものはありますか?

 常備!? 何だろう? やっぱり炭水化物、お米はすごく大事ですね。現役のときも海外遠征のときは必ずお米を持って行って、現地で自分で炊いておにぎりを作って試合会場に持って行ってたので、やっぱりおにぎりは力になるっていうイメージはありますね(笑)。

★鶏むね肉のネギソースのレシピ
<材料(4人分)>
鶏むね肉…2枚
塩こうじ…大さじ4
長ネギ…1本
おろしショウガ…1かけ分
ごま油…適量
醤油…大さじ3、酢…大さじ1と1/2、砂糖・はちみつ…小さじ1、水…大さじ1/2

<作り方>
1. 鶏むね肉の皮、スジ、余分な脂肪をとって観音開きにして棒で叩いてのばす。
2. 1に塩こうじを大さじ1ずつ両面にすり込み、20分程度寝かせる。
3. 寝かした肉をロール状に巻いてラップの両端をねじって包み、ラップのつなぎ目を下にして耐熱皿にのせ、電子レンジの500Wで5分加熱。ひっくり返してさらに2分加熱して、そのまま冷ます。
4. ボウルに*を混ぜ合わせ、みじん切りにした長ネギとおろしショウガを加え、最後にごま油をひと回し加えて混ぜる。
5. 3が冷めたら食べやすい大きさに切って器に盛りつけ、4のソースをかける。

《後編はこちら》
・結婚後にいろんな食の資格を取得。自分が作った食事でコンディションが左右されるから。J1リーガー増嶋竜也の妻・潮田玲子<後編>

[プロフィール]
潮田玲子(しおた・れいこ)
1983年9月30日生まれ、福岡県出身。元バドミントン日本代表選手。夫はJ1リーグ・ベガルタ仙台所属(柏レイソルからの期限付き移籍)の増嶋竜也選手。幼い時からバドミントンを始め、小学生の時に全国小学生大会女子シングルスで全国3位に。中学校3年の時には全国中学生大会女子シングルスで初めて全国大会優勝。その後は、女子ダブルスでペアを組んだ小椋久美子さんとのコンビ“オグシオ”ペアで、女子ダブルス 全日本総合選手権大会を2004年から5年連続優勝、2008年には女子ダブルスで北京オリンピックに出場し、5位入賞。2009年からは、池田信太郎さんとのコンビ“イケシオ”ペアで全日本社会人大会優勝、全日本総合選手権大会優勝。2012年、混合ダブルスでロンドンオリンピックに出場、同年9月に現役を引退。2014年より、(公財)日本バドミントン協会 普及部員を務めている

<Text:京澤洋子(アート・サプライ)/ヘア&メイク:内金行史/Photo:斉藤美春>