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スポーツに香りをプラスして集中&リラックスをコントロールできるのか(前編) (1/2)

 今春、Doスポーツ市場に新基軸の“ある製品”が投入されました。その名は「フィッツスポーツ セントテーピング」。機能はいたってシンプルで、鼻に貼ってスポーツをするだけ。「“香り”を新たなスポーツウェアに」というコンセプトで開発された製品ですが、どういった効果があるのでしょうか。

 さて香りで効果が出るのは、身体能力? それともメンタル面強化? 香りだけで運動のパフォーマンスを上げることができるなら最高ですよね。とても気になる製品の実力を知るべく、発売元であるフィッツコーポレーション開発担当者の桜井孝さん、家現大輔さん、そして監修を務めた杏林大学医学部の古賀良彦名誉教授に話を訊きました。

フレグランス開発から生まれた新しいプロダクト

― まず「フィッツコーポレーション」って何の会社なんでしょうか。

桜井孝さん(以下、桜井):弊社は香水をメインにした企画製造・輸入販売の会社です。1990年の創業以来、香水を中心に香りのあるライフスタイルの提案をしてきました。

― ライフスタイル提案から、なぜ「香り×スポーツ」と斬新なプロダクトが始まったのですか。

桜井:スタートは4年前の2014年にさかのぼります。きっかけは何か? と言われると「アロマなど自宅でのリラックスに使われる香りの力を、スポーツにも取り入れられないか?」というアイデアとなりますね。

― あるようで、なかった発想ですよね。このアイデアは、企画会議ですぐに承認されたのですか。

桜井:まったく新しい試みなので、「まずはやってみろ」という形で、手探りでスタートした感じです。

▲フィッツコーポレーション マーケティング部 マーケテイングディレクター 桜井孝さん。セントテーピング開発・販売にかかわるマーケティングを担当

― 今までにないコンセプトでも勝算はあったということですか。

桜井:正直、当時は確証がなかったですね(笑)。背景としては、ここ10年ほどで、香水以外のさまざまな香りアイテムを利用する方が増えたことがありました。柔軟剤やルームフレグランスなどが、香りを楽しむものという新たなマーケットとして成立していたことが、大きな後押しになったと思います。

― スタートが2014年。4年間どのような開発を続けていたんですか。

桜井:実は、本格的な開発までたどり着いたのは2016年後半くらいなんです。アイデアはあったのですが、プロダクトが壮大すぎて具体的に何をどうしていけばいいのか、かなり模索しました。

― あらためて「セントテーピング」の特長を説明していただけますか。

家現大輔さん(以下、家現):セントテーピングは鼻の通りを良くする「鼻腔拡張テープ」に、スポーツシーンに適した爽やかな香りを付けた製品です。一番の特徴は、その香りがスポーツ時に必要な「リラックス」や「集中」を感じる香りであること。

従来の鼻腔拡張テープは体に必要な酸素を取り込みやすくすることが主な機能ですが、セントテーピングは呼吸が楽になった状態で香りを感じることができます。

― それだけ聞くとスポーツのときに使えば、身体能力を引き出すことができる “夢のような製品”に思えますが?

家現:薬のように身体に大きな影響を与えることはないかもしれませんが、精神に与える影響は大きいと考えています。嗅覚からの刺激は五感の中で唯一、大脳辺緑系に直接届くことが知られています。そのような知見に加えて、セントテーピングの香りが前頭葉を活性化したことや、スポーツのパフォーマンスが上がったという結果から、少しずつ香りの力を確信していきました。

▲フィッツコーポレーション マーケティング部 プランナーチーフ 家現大輔さん。セントテーピングのプロダクト開発にかかわるプランナー

― 素晴らしい。しかし、なぜ「鼻に貼るテープ」だったのでしょうか。

桜井:スタート時はいろいろな製品開発アイデアがでました。当時から話題だったIoTを活用したウェアラブル端末、Apple Watchやナイキフューエルバンドのようにするなど。でも開発費用はもちろん、液体の香水と振動し続けるハードの相性など、次々と課題が出てきてしまったため断念。アナログ製品にシフトしました。

― アナログ製品とは、たとえばどのような物ですか。

家現:リストバンドやネックレス、ほかにも伸縮性のテーピングなどです。検討を重ねる中、スポーツする上で重要な「呼吸」と「香りを感じる鼻」の相性の良さに着目した桜井が、“鼻に装着するテープ”を提案しました。

― そこから開発が動き出したということですね。

桜井:そうですね。やっと形状やプロダクトの方向性が決まり、もう一度古賀教授のもとを訪ね再始動することになります。約2年間「スポーツと香り」の構想を練り続けて、やっと着手できたって感じでしたね。

次ページ:苦労したのはエビデンス収集・解析と特許申請

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