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足首を捻ったらすぐ“RICES処置”を。「足関節捻挫(ねんざ)」の応急処置とリハビリ方法

 スポーツ中だけでなく、日常生活でもよく起こる「捻挫(ねんざ)」。経験したことがある人も多いでしょう。足首をひねった、痛めたときに起こる「足関節捻挫」について、応急処置で有名なRICES(レイス)やリハビリ、症状を悪化させない知識や早く治すために気をつけたいことを、プロスポーツトレーナーが解説していきます。

足関節捻挫(ねんざ)とは

 捻挫とは、外力により関節が可動域以上に捻られることによって起こる傷害です。人体には骨と骨をつないでいる靭帯という組織がありますが、捻挫ではこの靭帯や関節を包むようについている関節包という組織を損傷してしまいます。この捻挫は、関節のある部分であればどこでも起こり得るもの。しかし、その中でもっとも多く発生する捻挫が、足首での「足関節捻挫」です。 

 足関節捻挫には、「内反捻挫」「外反捻挫」という2つの種類があります。それぞれの捻挫について、よく理解しておきましょう。

内反捻挫

 足首を内側に捻った際に起こる足関節捻挫です。歩行時やスポーツ時に足首をグキッと捻ってしまったという場合は、ほとんどがこの内反捻挫です。内反捻挫では、足首の外側にある靭帯を損傷します。

外反捻挫

 足首を外側に捻った際に起こる足関節捻挫で、足首の内側にある靭帯を損傷します。内反捻挫に比べて発生率が低く、その理由として足首の内側の靭帯が大きく強いことと、足首が外側に捻りにくい構造になっていることが挙げられます。

 捻挫にはⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度と重症度があり、靭帯の損傷度によって重症度が決められます。Ⅰ度は、靭帯の微細な損傷だけのもっとも軽い捻挫。Ⅱ度は靭帯の部分断裂、Ⅲ度は靭帯の完全断裂です。Ⅲ度ともなるとギプス固定されるほどの重傷で、下手をすると骨折の方が早く治るくらいの大怪我になってしまいます。

捻挫をしたらすぐに「RICES処置」を行う

 捻挫してしまったら、まずはすぐに「RICES処置」を行いましょう。最初の応急処置が、治癒までの期間を大きく左右するといっても過言ではありません。重症度にもよりますが、1~2週間程度は患部を固定し安静にして過ごします。痛みや腫れが治まってきたら、今度は元の状態に戻すためのリハビリを開始。完全に治った状態まで戻すためには、1か月程度かかると考えておくとよいでしょう。

RICES処置とは「R=休息(安静)【rest】」「I=冷やす【ice】」「C=圧迫【compression】」「E=挙上【elevation】」「S=固定【support】」の頭文字をとったものです。

スポーツ時の打撲・捻挫・突き指はアイシングで応急処置を。患部を冷やす「RICES処置」の効果と正しいやり方 より

 また、足首の捻挫だからといって軽く考えてしまい、応急処置やリハビリを怠ってはいけません。足首が腫れた状態のまま治ってしまい、元の細さには戻らなくなってしまいます。軽い捻挫だと思っても、しっかり応急処置を行うようにしましょう。

捻挫はクセになる?

 「捻挫はクセになる」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは、靭帯を1度損傷してしまうと完全に元と同じ状態には戻らず、損傷してしまった状態で治っていくことによって足首の固定力が弱まり、捻挫を繰り返すたびに“捻挫をしやすい状態”になってしまうからです。

 なお、「靭帯が伸びる」と表現されることがありますが、これは適切ではありません。なぜなら、靭帯は伸び縮みする組織ではないからです。部分的に損傷することによりしっかり固定されていたものが緩み、本来の可動域以上に関節可動域が広がりやすくなってしまう。つまり、足首が緩くなってしまうのです。

 足首の緩みを改善しなければ、捻挫は繰り返します。しっかりリハビリを行って足首まわりの筋力を高めることが、捻挫をクセにしないポイントです。

足関節捻挫のリハビリエクササイズ

 リハビリ段階にきたら、積極的にエクササイズを行って筋力を高め、足首の安定性を向上させましょう。ここでは、自分でできるリハビリのエクササイズをご紹介します。

カーフレイズ

1.足を腰幅に開き、壁に手をつく。
2.つま先立ちになり、限界まで行ったら、ゆっくりとカカトを下ろしていきます。このとき、カカトを床につけずにギリギリのところまで下ろしたところで再度持ち上げる。
3.20回×3セット繰り返す。

トゥレイズ

1.足を腰幅に開き、壁に手をつく。
2.かかと立ちになり、限界まで行ったら、ゆっくりとつま先を下ろしていく。
3.20回×3セット繰り返す。

タオルギャザー

1.タオルを床に敷き、裸足でタオルの端を踏む。
2.足の指を使ってタオルをたぐり寄せ、いけるところまで行ったらタオルを元に戻す。
3.5セット繰り返す。

チューブトレーニング

1.チューブをテーブルやベッドの脚にくくり付け、輪っかにする。
2.足を輪の中に通し、足の甲にチューブをひっかける。
3.手前につま先を引き寄せるように力を入れていき、いけるところまで行ったら、ゆっくりと元の状態に戻る。
4.20回×3セット繰り返す。

RICES処置を行い、甘く見ずに医療機関へ

 足関節捻挫は、軽いケガと思われがちです。しかし実際には、重症度が高くなれば大怪我ともいえるほど時間がかかる傷害。早く治すには、応急処置とリハビリが重要です。足関節捻挫をしてしまったら、まずはRICES処置を行い、医療機関を受診しましょう。リハビリの開始タイミングやエクササイズ種目などは、医師と相談のうえで進めるようにしてください。

関連記事:スポーツ時の打撲・捻挫・突き指はアイシングで応急処置を。患部を冷やす「RICES処置」の効果と正しいやり方

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada

<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>

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