インタビュー
2018年3月30日

コオロギパウダー配合のプロテインバー!? “昆虫食”でたんぱく質を補充する「eco protein」とは (1/2)

 突然ですが“昆虫食”をご存知でしょうか。来たるべき食糧難の時代に備え、昆虫から貴重なたんぱく源を摂取する昆虫食に、いま世界でも注目が集まっています。とはいえ、語感からはゲテモノ料理を想像してしまいがち。敬遠したい気持ちも分かります。

 そんな方にオススメしたいのが、春にトライアル販売が開始されるプロテインバー「eco protein(エコプロテイン)」。商品の狙いは? 実際の味は? 「実は、虫は触るのも苦手」という女性担当者に、開発秘話を聞いてきました。

日本にも昆虫食ブーム到来!?

 「eco protein」を開発したのは、株式会社C&co.の國本智世さん。プロテインバーの形で販売することとなった「eco protein」ですが、その最大の特徴は、なんといってもスーパーコオロギのパウダーを配合していること。そこで、沸き起こる疑問をいくつかぶつけてみました。

▲株式会社C&co.の國本智世さんに、コオロギパウダー入りプロテインバー「eco protein」の開発秘話を聞きました

―――どんなコオロギを使っているのでしょう?

カナダで食用に飼育されている、衛生的で高品質なコオロギを使用しています。オーガニック飼料を与えて大切に飼育されたもので、アメリカ、EU、カナダで有機食品認定を取得しています。

―――そもそも、なぜコオロギを使うことになったのでしょうか。

地球環境の変化や人口の増加などから、いずれ世界的な食糧危機が来ると言われています。その対策として、国連でもタンパク質の補給源を(動物だけでなく)昆虫にも求めることを推奨しています。いま海外でブームになりつつある昆虫食で、どんな商品を生み出すことができるだろうか。それが開発のきっかけになりました。虫を育てること自体がエコであり、また虫の飼育は(動物ほど)飼料や水を必要としないため、地球環境にやさしいという側面もあります。そこで、商品名にecoのキーワードを冠しています。

▲「日本でも昆虫食ブームが起こるのでは。その取っ掛かりとして、気軽に手に取れる商品を開発したかった」と語る國本さん

―――昆虫のなかでも、なぜコオロギだったんでしょう。

イナゴ、バッタなども候補にはあがりました。まずは安全を最大限に考慮して、すでに実績と定評のあるカナダの工場が取り扱う“スーパーコオロギ”という高級食材を使うことに決めました。

どんな栄養が? 味は?

 普段から、ジムで身体を動かしているという國本さん。MELOSでもたびたび紹介している過酷な競技大会"スパルタンレース"にも、積極的に出場しているそう。そんな彼女だからこそ、プロテインバーの成分にもこだわりがありました。

―――どんな栄養が摂れるのでしょうか。

コオロギって、栄養価の高いスーパーフードなんです。重量の約65%がプロテインで、タンパク質は牛肉の2倍以上、ビタミンB12は20倍以上とも言われています。オメガ3やオメガ6を摂取できるのもうれしいところ。そして、皆さん気になるのが味でしょう。エビやカニなど、甲殻類からは美味しい出汁がとれますが、実はコオロギも同様。つまり健康食品であり、食べてもおいしい。これをいかにアピールしていくかを考えています。

―――コオロギ、の響きだけで敬遠してしまう方もいそうです。

大人になると、虫が苦手になります。私もそう。過去、2回の展示会に参加しましたが、コオロギと言っただけで食べてくれません。でも口にした方からは「なんだ、こんなにおいしいんだ」という感想をいただけます。食べるまでのハードルをいかに下げるか。そこで、女性でも手に取りやすいおしゃれなパッケージにしました。

▲「eco protein 1」はチョコレートバー(税抜300円)、「eco protein 2」はヌードルスナックバー(同200円)で展開。女性も手に取りやすいパッケージになっています

編集部では、まずパウダーのにおいを嗅がせてもらいました。魚の粉末のような、嗅ぎ慣れた匂い。これを口にすると煮干し、人によってはピーナッツのような味に感じるそうです。

次に、開発途中の製品を味見させてもらいました。食べたのはチョコレートバーの「eco protein 1」と、ヌードルスナックバーの「eco protein 2」。どちらも風味が食欲をそそる商品で、食べると味もしっかりとしています。先入観を抱いていた“昆虫っぽさ”はみじんも感じられません。後味も上品で、アッという間にすべて完食してしまいました。おいしいうえに、しっかりと栄養も摂れるなら、これほどのことはありません。

▲シュガーレスチョコレートを使用、大豆パフ入りのチョコレートバー

―――商品で成分に違いはありますか。

どちらも高級コオロギを使用しています。コオロギの種類も、配分量もほぼ同等です。スナック感覚で食べてもらえたら。スポーツをしている方、健康意識の高い方にもオススメです。チョコレートバーはエリスリトールという甘味料を使用しているので、血糖値の気になる方、糖質制限している方にもお召し上がりいただけます。

▲あっさり塩味のヌードルバー

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