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シャワーでも疲れはとれる?お風呂に浸かる効果と疲労回復のポイント

 シャワーはさっぱりして気持ちいいものの、疲労回復に効果はあるのでしょうか。お風呂にしっかり入った方がトレーニングの疲れを回復できるのでは? 運動の疲労を軽減し、翌日に疲労感を残さないための、入浴の効果と入り方を紹介します。

入浴がもたらす疲労回復効果とは

1.副交感神経を刺激することによるリラックス効果

 温浴によってカラダが温まると、血行がよくなりリラックス効果が高まります。特にぬるめ(37~40度程度)のお湯に長くつかることによって、自律神経のひとつ「副交感神経」が刺激されます。副交感神経が優位になると筋肉が弛緩し、心拍数が低下するなど、カラダを休ませる状態になります。

 もちろんシャワーでもカラダを温めることはできます。しかし、その場合は温度を熱めにして浴びることが必要です。熱めのお湯に浴びると、さきほどの副交感神経ではなく、体を目覚めさせる「交感神経」が優位になります。熱い温度のシャワーでさっぱりするのもいいですが、一日の疲れを回復させるためには、ゆっくりぬるめのお湯につかる方が効果的と言えそうです。

「夜ちゃんとお風呂に入ると体温があがって、あがった体温は必ず下がります。人間は体温が下がってくると眠くなるんですよ。お風呂に入ると血管も拡張するので熱放散もしやすくなります。あがった体温がスーッと下がる。お風呂に入ると疲れがとれるっていうのは、その後の眠りもよくなるからなんですね。だから眠りの質もあがりますよ」

お風呂に入れば睡眠の質も上がる。疲れたカラダに効果的な入浴法をお風呂博士に聞いてみた(前編) より

2.水圧による血液循環の向上

 水に入ることで体には圧力(水圧)がかかり、水圧がかかると血管が圧迫されて血液循環を促します。特に足先~ふくらはぎは、常に心臓より遠い位置にあるため血液が心臓に戻りにくく、血液循環が悪くなることで冷えを感じやすい箇所です。温浴を行うことでカラダが温まり、さらに水圧がかかるため、その効果によって血液循環が良くなるのです。血液循環がよくなれば老廃物の排除がスムーズになり、全身に栄養や酸素が行き渡りやすくなるため、疲労回復に繋がります。

 最近ではコンプレッションウエアと呼ばれる、ピッチリしたウェアが疲労回復に効果的として販売されています。これも、カラダに軽い圧力をかけて血行を促進させる効果のあることから考案されています。

3.浮力による筋肉をほぐす効果

 温浴では水の浮力による疲労回復効果も期待できます。水の中では体重が約10分の1になり、60kgの場合は6kgになります。体重が軽くなることで、関節などにかかる負担が大きく減少します。また、姿勢を維持するために使われている抗重力筋の負担も減り、筋肉の緊張が重力から解放されるのです。

「筋肉が固くなるということは、全身に張り巡らされた毛細血管が圧迫され、血液循環が悪くなります。すると筋肉は酸素不足・栄養不足になり、疲労物質を除去できずさらに固くなります。それが体の不調の慢性化、負のスパイラルへとつながるのです」

筋肉をほぐすと、どんなメリットがあるの?カラダファクトリーの整体師が解説 より

4.ヒートショックプロテイン(HSP)による疲労回復

 最近の研究によって、カラダに熱ストレスをかけることで分泌されるたんぱく質「ヒートショックプロテイン(HSP)」が、細胞の損傷を修復したり、抗ストレス、また免疫力を高めたりすることが解明されてきました。昔から温泉に体の不調や病気を治す効果があるとされてきた理由のひとつが、このHSPであったのではないかと考えられています。研究の中には、高温で短時間のシャワーや温浴では効果が現れなかったとするものもあります。ゆっくり温浴してHSPを増やすことが、疲労回復に繋がるでしょう。

温浴効果を高めるお風呂の入り方

ぬるめのお湯で入浴する

 熱いお湯よりもぬるめのお湯(40℃程度)で入浴することをオススメします。入浴時間の目安として、40℃の場合は20分、41℃の場合は15分、42度の場合は10分以上入るとよいでしょう。

「ぬるめの湯なら副交感神経が優位になってリラックスします。リラックスしないと疲労の回復はないので、疲れたなという日はぬるめで自分が『心地よい』と感じる温度の湯に入ることをおすすめします。体温よりちょっと高い38〜39度ぐらいですね」

お風呂に入れば睡眠の質も上がる。疲れたカラダに効果的な入浴法をお風呂博士に聞いてみた(前編) より

入浴剤を活用する

 一般的に多く使われている入浴剤は、血行促進の効果が期待できます。ゆっくり入浴している時間を作れないという人は、入浴剤の力を借りてカラダを温めましょう。また、入浴後の保温効果も高いため、血流量の維持が続きます。最近ではアスリート向けの入浴剤なども販売されていますので、肉体疲労が蓄積している方は活用してみてはいかがでしょうか。

「湯に溶かす量としては、1回分は200リットルのお湯に対して入れたときの効果を厚生労働省へ申請をして許認可を得ています。それ以外は特にありません。入浴剤を入れたすぐのタイミングがやっぱり香り立ちがいいので、香りを楽しみたい場合は入浴時に入れるといいです。もし、炭酸の発泡力をあげようと思ったら湯の温度は高いほうが発泡しますが、そのかわり溶存する炭酸がなくなるのも早いですね」

入浴剤で疲労回復やリラックス効果を実感。疲れたカラダに効果的な入浴法をお風呂博士に聞いてみた(後編) より

交代浴を試してみる

 温かいお湯と冷たい水に交互に入る交代浴は、疲労回復効果が高いとされています。交互に入ることによって血管の収縮と拡張が効果的に行われ、血液循環がよくなるからです。

 交代浴の具体的な方法としては、温かいお湯(38~42℃)に1~2分入り、その後冷たい水(15℃)に入り、1分を目安として交互に数回繰り返すというもの。これを6~12分間行うことが、一番効果的だとされています。なお、研究では長すぎる交代浴がかえって効果を減少させるという報告もありますので、実施時間については12分を上限に行うようにしてください。

お風呂に入るタイミングはいつがいい?

「お風呂に入るタイミングとしては、寝る2時間前には入浴することがよく、食事の前か後かでは、栄養を循環させるという意味で先に食べて落ち着いてから入るのが望ましいとか。しかし、入浴によって血液循環はよくなっているので、お風呂の後に夕食を食べても大丈夫ですとも。いちばんいけないのは、食事を食べないとか時間がバラバラなこと」

お風呂に入れば睡眠の質も上がる。疲れたカラダに効果的な入浴法をお風呂博士に聞いてみた(前編) より

 

[筆者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​医療系・スポーツ系専門学校での講師のほか、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、さまざまなメディアで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会(JATI-ATI)の認定トレーニング指導者
【公式サイト】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada
【公式Facebook】https://www.facebook.com/pt.wada/

<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>

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