2021年8月6日

“筋トレ停滞期”にチェックすべきポイント&対策方法 (1/4)

筋トレをある程度の期間続けていると、おもしろいように自己記録を更新できる時期があります。初心者レベルから中~上級者へと移っていくこの時期は、記録だけではなく体の変化も実感できるため、モチベーションも上がるでしょう。

ところが、そのうちなかなか記録が伸びなくなる停滞期がやってきます。残念ながら、筋トレの記録は永遠に右肩上がりで上がり続けるものではありません。

停滞期には、必ず原因があります。そして、その原因は人によってさまざまです。ひたすら回数や重量を増やして、根性で停滞期を乗り切る手もありますが、できれば合理的で無理のない方法を選びたいものです。

今回は下半身を鍛える代表的な種目であるスクワットを一例として、筋トレの記録が伸び悩み始めた人に、弱点の見つけ方とその対策をご紹介します。

1.臀部とハムストリングスは使えているか

スクワットは、複数の関節を動員して行う複合関節動作です。そのため、鍛えられる筋肉群も多岐に渡ります。

メインで鍛えられる部位は臀部(でんぶ)、ハムストリングス、大腿四頭筋。それ以外にも、ふくらはぎ、腰、背中が挙げられます。

これらの筋肉群は、均等に強くなるわけではありません。その人の体型あるいはフォームの違いによって、あまり有効に使えていない箇所ができてしまうことはよくあります。そのようなアンバランスさは弱点になるだけではなく、怪我の原因にもなりかねません。

世界陸上400mハードルで2度の銅メダルを獲得した、元プロ陸上選手の為末大さんは、著書『日本人の足を速くする』(著者:為末大/出版社:新潮社)の中で、日本人がスクワットをやり過ぎると膝上の筋肉のみが発達してしまうから、むしろやらない方がよいと述べています。

速く走るためには内腿や臀部の筋肉の方が大切なので、スクワットとは別のトレーニングを選ぶべきだとしているのです。本来なら、それらはすべてスクワットで鍛えられる筋肉群となります。しかし為末さんによると、そうならないケースが多いということです。

為末さんが言うように、そのことが日本人の特有の傾向なのかどうかはわかりません(筆者はアメリカ人アスリートにもよくそうした人を見かけますので)。スクワットをよく行う人の中には、体の前面にある大腿四頭筋だけが発達してしまい、体の後ろ側にある臀部やハムストリングスがあまり鍛えられていない人が少なからずいます。

体の裏側は鏡では見えませんので、よほど注意しないと発見しにくい弱点でもあるでしょう。

2.デッドリフトと1RM(最大挙上重量)を比較してみる

もしスクワットの他にデッドリフトも行っていたら、それぞれの1RM(最大挙上重量)を比較してみましょう。大雑把に言えば、デッドリフトはスクワットより25~30%ぐらいは重い重量を挙げられる種目です。

仮にスクワットの1RMが100キロだとしたら、デッドリフトでは125キロ以上は挙がるはずです。もしそうでないとしたら、臀部やハムストリングスの筋力が大腿四頭筋より相対的に弱いのだと判断するべきでしょう。

その場合は、デッドリフトにもっと取り組むことで、結果としてスクワットの記録も伸ばせるかもしれません。

関連記事:筋肥大を狙う筋トレに必須の指標「1RM(最大挙上重量)」とは?正しい測定方法を解説

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