フィットネス
2021年10月14日

懸垂(チンニング)トレーニングのやり方│背中、腕、腹筋を鍛える (1/2)

 筋トレが大切なことはわかっているけど、単調でつまらないから、ついサボり気味になってしまう。そんな人はマンネリに陥らないよう、あえて脇道に逸れてみませんか? 飽きが来る前に、普段の筋トレとは少し異なったワークアウトを試してみるのがおススメです。

 そこで今回のワークアウトは、鉄棒や懸垂バーなどを使った「懸垂(チンニング)」です。日常生活で繰り返し行う動作をベースにしたトレーニング法である「クロスフィット」のトレーニングメニューから、自宅や公園で手軽に試せるものを5つご紹介します。

【1】「ストリクト」で広背筋と上腕部を鍛える

 まずは、ストリクトという懸垂です。ストリクトとは、反動をつけないで体を持ち上げるという意味。懸垂と言えば、大抵の人はこれをイメージするのではないでしょうか。では、なぜわざわざ「ストリクト」なんて名前をつけるのか。それは、後述するキッピングやバタフライ式の懸垂と区別をつけるためです。

 完全に肘を伸ばしてバーからぶら下がり、そのまままっすぐ上に、顎がバーの上に来るまで体を持ち上げます。

 ストリクト懸垂は、広背筋や上腕二頭筋など上腕部の筋肉を鍛えるのにピッタリのワークアウトです。10回できたら次は11回やってみる、あるいは重量ベストやベルトを着用して負荷をかけてみるなど。筋トレの王道である、漸進性過負荷の原則に則ったメニューを組んでいきます。

 よく見るのが、回数を稼ぐために肘を曲げた状態にまでしか下ろさない人。しかし、それでは充分な効果を得ることができません。完全に肘を伸ばして、反動をつけることなく可動域いっぱいに筋肉を働かせることが重要です。

\動画で動きをチェック/

【2】「キッピング」で体の連動性を高める

 ストリクト懸垂がある程度できるようになったら、今度は下半身を揺すって体幹からの反動を上手く使い、体を持ち上げる「キッピング」という方法で懸垂をやってみましょう。

 キッピングでは大きく反動を利用し、足を振り上げて勢いをつけます。「そんな風に反動を使用したら、広背筋に効かないんじゃないの?」なんていう声が聞こえてきそうですが、実はその通り。筋力を増やすという目的からすると、このキッピングはストリクトに比べて効果が低くなります。

 ストリクトが広背筋や肩など上腕の筋力のみを使うのに対し、キッピングでは体幹の部分を多く使います。同じ回数の懸垂をこなすのに、キッピングの方がはるかに速く、そして楽にできるでしょう。筋肉を肥大させることよって体の連動性を高め、実用的な体の動きを会得することに重きを置くのがキッピングなのです。もちろん、だからと言って筋肥大の効果がゼロになるわけではありません。

次ページ:【3】「バタフライ」は2拍子。全身を使った回転運動

1 2