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ママ、おめでとう!日本新記録&世陸出場をたぐり寄せた寺田明日香、進化の原動力に「家族とチームあすかの存在」【密着レポート】 (1/3)

 MELOSでコラムを連載中のママハードラーこと寺田明日香選手が、とうとう「12秒97」の日本新記録を達成しました!

 実は今回、取材班もその歴史的瞬間に立ち会っていました。2019年9月1日、世界選手権(世界陸上)への出場をかけた大会「富士北麓ワールドトライアル2019」(山梨県・富士北麓競技場)に出場する寺田選手に密着取材していたのです。

 世界陸上(カタール・ドーハで2019年9月27日から開催)の参加標準記録12秒98も上回った記録は、いかにして生まれたのか。レースにかけた寺田選手のアスリートとママの顔をレポートします。

13秒の壁を破り近づいた世界への舞台

 女子100mハードルの日本記録は、2000年に金沢イボンヌさんが出した「13秒00」。この記録は、19年間日本選手の前に立ちはだかり、オリンピックで行われる女子トラック種目では最古の記録でした。

 まず寺田選手は先月、福井で行われた「アスリートナイトゲームズイン福井」のレースで13秒00の日本タイ記録をマーク。第一次陸上選手時代、夢にまで見た12秒台へと着実に近づいていくのです。しかし、陸上競技において「0秒01」のタイムを縮めることはたやすいことではありません。

 今回、世界陸上の参加標準記録を突破する最後のチャンスとして参加した「富士北麓ワールドトライアル2019」。ついにこれまでの日本記録を「0秒03」更新し、日本人選手として初めて12秒台にたどり着く快挙を成し遂げたのです。

 今レースの課題を「スタート」と語っていた寺田選手でしたが、当日の天候は晴れながらも風が一定方向に定まらずお世辞にも良いコンディションとはいえない状況でした。しかし、寺田選手がスタート位置に着いた瞬間追い風に変わります。なり響くスターターピストルの音。まさに風を味方に疾走を始めたのです。

 そして、掲示板に表示された「12秒97」の記録。フィニッシュの瞬間から会場は大きな歓声と拍手に包まれ、しばらくやむことなく続きました。

ゴールではなくここからがスタート

 直後の取材でレースの感想を聞かれると、「課題だったスタートダッシュを意識して、集中しました。フィニッシュ直前にはタイムを確認しつつ、いっけー!! って心のなかで叫びながら走ってましたね。記録が出たのはうれしい!」と、喜びが顔から身体からあふれていました。

 「ただ、ここがゴールではなくスタートだと感じています。女子100mハードルの未来に向けて自分のできることはしたい。誰かがぶち抜いた壁は、届きやすくなります。近いうちに、周りも12秒台を出すと思っています」と自身が置かれた環境を冷静に語る一面も見せていました。

 場内アナウンスでは、福井の「9.98スタジアム」にちなみ、富士北麓競技場を「12.97スタジアム」へ改称する案まで飛び出すほどの盛り上がり。レース後サインを求めるファンも後を絶たず、1人ひとりていねいに対応する寺田選手の姿も印象的でした。富士山の麓で生まれた19年ぶりの日本新記録。そして、2009年のベルリン大会以来となる世界陸上への出場権もほぼ確実にしました。まさに選手と観客の熱量が、会場を埋め尽くす感覚を肌で感じた瞬間に立ち会えたのです。

帰ってきたママハードラーを支えた人たち

 寺田選手は、一度陸上をあきらめ、東京でのオリンピックが決まったときは、子どもと一緒に観戦したいなーというのが正直な気持ちだったそうです。しかし、ケガも完治し体調も戻ると、いつしか自分がオリンピックに出ている姿を娘に見せたいと思う気持ちが強くなり、望まれた7人制ラグビーへと転向します。

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