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上白石萌歌×いだてん。日本女子初の金メダリスト前畑秀子を演じる覚悟と決意:インタビュー前編 (1/2)

 日本人初のオリンピアンとなった金栗四三と、1964年の東京オリンピック招致に尽力した田畑政治を描いた、宮藤官九郎さん脚本によるNHKの大河ドラマ『いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』。

 第1部では日本の女子スポーツの黎明期が描かれましたが、第2部に入り、ついに日本人女性初の金メダリストが誕生します。その名は、前畑秀子。彼女は「前畑ガンバレ」の実況でも有名な、伝説のスイマーです。

 今回、前畑秀子を演じる上白石萌歌さんを囲んだ合同インタビューが実施されました。役作りのため、体重の増量に挑戦したという上白石さん。インタビュー前編の今回は、7kgも増量したという役作り、前畑秀子を通じて感じたオリンピックがどのような舞台だったのか、などについて聞きました。

《続々更新中!いだてん出演者インタビュー》
●菅原小春×大根仁。日本女子スポーツのパイオニア・人見絹枝をいかにして演じたのか 
●阿部サダヲ「暗くなりがちな時代だからこそ、スポーツを通して明るくなってほしい」 
●黒島結菜「女子がスポーツに目覚める時代。この役を演じることができて良かった」
●森山未來「いかにして稀代の落語家を演じるのか」

[プロフィール]
●上白石萌歌(かみしらいし・もか)
2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。2011年の第7回「東宝シンデレラ」オーディション、史上最年少10歳でグランプリ受賞。女優デビューは、2012年のドラマ「分身」(WOWOW)。『義母と娘のブルース』(TBS系)、『3年A組―今からみなさんは、人質です―』(日本テレビ系)などの多くのドラマに出演。映画『羊と鋼の森』(2018年)で、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。アニメーション映画『未来のミライ』(2018年、細田守監督)では主人公の声を担当。2019年4月より、TBS系列「A-Studio」でサブMCを務める。

●前畑秀子(まえはた・ひでこ)
「前畑、ガンバレ!」の実況で有名な伝説のスイマー。専門は200メートル平泳ぎ。1932年ロサンゼルス・オリンピックで銀メダル、1936年ベルリン・オリンピックでは日本人女性初となる金メダルに輝く。負けず嫌いで毎日2万メートル近く泳ぐ努力家であったが、天真爛漫で無邪気な性格ゆえに、周囲からのすさまじい期待に翻弄される。

【あらすじ】第29回「夢のカリフォルニア」(8月4日放送)
いよいよロサンゼルス・オリンピックが開幕。日本水泳チームの総監督として現地に乗り込んだ田畑政治(阿部サダヲ)は、広大で美しい選手村で各国の選手たちが交流する姿を見て、これぞスポーツの理想郷と感激するが、その一方で日系人差別も目の当たりにするなど複雑な思いも抱く。全種目制覇を絶対の目標とする田畑は、本戦に出場するメンバー選びで非情な判断を下し、高石勝男(斎藤工)ら選手との間に軋轢あつれきを生む。田畑の執念は実を結ぶのか──。

前畑秀子から感じる、強い信念や水泳にかける愛情

―― 役作りで7kgも増量されたそうですね。肉体改造で大変だったことは?

身体から役にアプローチしたのは、今回が初めてでした。今までの役とは全然違います。撮影が始まる前に半年くらい時間をいただき、水泳の練習をしたり、食生活の見直しをしたりした。増量って、痩せるのと同じくらい大変ですね。胃の中にいつも食べ物がある状態が続きます。野菜も摂っていましたが、軽い食事がしたいなと思うこともあって。でも時間をかけるほど、前畑さんに近づいていっている実感もありました。肉体からアプローチすると、こんなにも意識が変わる。セリフとか今まで以上に自分のものとして落とし込めたり、生き様を自分の中に自然と落としていくことができました。これからも自分でセーブせず、いろんな役柄に挑戦して、役作りしていけたら良いなと思いました。

―― 具体的に、どんな食事を摂りましたか。

トレーナーの方がついて体調の管理をしてくださったんですが、一時期、運動もして食べる量も増やしているのに、体重の増加が停滞した時期がありました。そこで脂質を摂らなきゃいけなかったのが辛かった。ダイエットの真逆の生活をしないといけない。なるべく油の多いものや、すぐにエネルギーに変わるものを選んで、生活しなくてはいけなかったんです。1日5回も食事したり、寝る前に食べたり、夜遅くに脂質を摂ったり。太っていくのが嫌というよりは、気持ちが辛かったです。

肉の脂身の多い部分や、夜中によくパスタやお菓子を食べました。コンビニのショーケースの中のもの、唐揚げとかも。この先、痩せる役がきたら逆に食べることが恋しくなると思いますが、ないものねだりですね(笑)。役作りの準備をしていきました。

今回、お化粧で肌のトーンを5つくらい下げて黒くしています。撮影前には日サロ(日焼けサロン)にも通って、当時、水泳をしていた前畑さんの肌の色に近づけるように準備しました。ロス・オリンピックとベルリン・オリンピックのロケは、どちらも愛知県で行なって、そこでさらに肌を焼いてしまい、途中からはドーランが要らなくなるくらいに黒くなりました(笑)。御本人に近付けた気がして、うれしかったです。

――前畑さんの生き様について。

1930年代って、まだ女性の地位もそれほど高くはなく、普通の人だと女学校を出たらすぐに嫁いでいたと思います。劇中では、さげすむ言葉はそんなにはありませんでしたが、その時代にはあったのかなと思うと、すごく胸が痛くなって。

日本人女性初の金メダリストということで、当時の女性の社会進出にも大きな影響を与えた方だと思います。強い信念とか、水泳にかける愛情を感じます。幼い頃に両親を亡くしていて、そういった側面では、強さも持っている方だなと思っていました。

――前畑さんはストイックな面がある一方で、可愛らしい女性らしさもあったと聞きます。役に共感する部分は。

前畑さんは、周りの方からすればその時代の星であり、特別な女の子と見られていたと思いますが、ご自身は本当に普通の心を持った女の子で、大会の直前には「勝てへん」と控室を走り回ったり、女子部屋で「男子選手ならこの人がかっこいいよね」などと噂しあうシーンもありました。そんな普通の一面に、すごく共感しています。こんなにすごい選手でも、ひとりの人間で、プレッシャーも感じている。期待も不安も、ずっと胸のうちにあって戦っていたんだなと思うと、役にかける思いも膨れ上がっていく気持ちがしました。

通じる部分と言えば、私も水泳が好きで、中でも平泳ぎが好きだったので、水泳にかける思い、飛び込む前の目つきの変わり方、そんなところがリンクすると良いなと思っています。「水泳を誰よりも愛そう」という気持ちで役に取り組みました。

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