インタビュー
2019年7月23日

次の目標は世界選手権か、12秒84突破か。ママアスリート・寺田明日香が日本選手権後に目指すもの[インタビュー] (1/2)

 福岡・博多の森陸上競技場で6月末に開催された第103回日本陸上競技選手権。MELOSでママアスリートとしてコラム連載をしている寺田明日香選手が、6年ぶりに出場した日本陸上競技選手権女子100mハードルで3位という好成績を残しました。

 日本選手権出場にあたって開幕前から寺田選手の動向をお届けしてきた特別企画はこれで最終回。今回は、日本選手権を終え、今後についてどのように考えているのか、お話を伺ってみました。

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今後の課題を見つけられたことは、大きな収穫

「試合を振り返ってみて、3位という結果はやはり悔しいです。勝ちたかったし、タイムも出したかった。でも、二度目の陸上人生が始まってまだ半年。これから奮起するための3位だと思います。ここで勝ってしまったら安心してしまう面も少なからずあったと思う」

 激しい雨に風と、決して良いとは言えない天候の中、それでも予選、準決勝は思っていたように走れたという寺田選手。しかし、決勝では予選、準決勝の「いい調子」から「どうしても勝ちたい」という気持ちが強く出てしまい、自分の走りのリズムを崩してしまったと言います。

「やれることはやってきたので、何かが足りなかったと言えば気持ちの面ですね。6年間のブランクを埋められなかったのは自分の責任」

 また、これから改善していかなくてはいけないのは、技術の面もあると語りました。陸上選手からラグビー選手へ、そしてまた陸上というキャリアを持つ寺田選手ですが、以前やっていなかったことに復帰後挑戦できているのはプラスだと前向きな言葉が出ていました。

「スピードだけでハードルを越えていくのではなく、スピードを生かしてどうハードルを越えるのかを考えることがこれからの課題です。それは、第1次陸上選手だったときにはやっていなかった部分。復帰後初めての日本選手権を終えて、どうトレーニングしていくのかは考えているところなので、これから挑戦できることがまだあるのはラッキーですね」

 寺田選手の気持ちは、すでに「これから」に向けて切り替わっていました。今後の見通しを立てているのは、「チームあすか」の主軸を担う高野コーチも同じです。「まだまだ練習不足ですよ(笑)」と叱咤しながらも、日本選手権直後に「やってきたことはちゃんと力になり、本人の自信につながっています。今回は経験値を積めたことが大きな収穫。練習するところがあるからこそ頑張れます」と答えてくれた高野コーチ。「チームあすか」での挑戦がまた広がりました。

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