2020年4月24日

少しのアクションでも誰かを元気にすることができる。『いまスポーツにできることリレー』、つながっています!│寺田明日香の「ママ、ときどきアスリート〜for2020〜」#38

 みなさん、こんにちは! 陸上競技の寺田明日香と申します。

 新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続く中、みなさまいかがお過ごしでしょうか。東京オリンピックを目指す、現役アスリートである私ですが、ふだん使っている競技場やジムがすべて閉鎖になってしまいました。そのため自宅トレーニングに加え、練習できる場所を日々探しつつ、その中でできることを行っている状況です。コーチと会うのも難しいので、遠隔でメニューの指示を受けたり報告をしたりしています。いずれにしても、来年夏の東京オリンピックに向けて家族でとても元気で過ごしていますので、ご安心ください。

 さて、『いまスポーツにできることリレー』、みなさんもうご覧いただいたでしょうか? 陸上競技の現役選手たちがSNS上でさまざまなメッセージを発信しながらバトンをつないでいます。今日はこの動画についてご紹介していきたいと思います。

 今回も最後まで、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

今スポーツ選手ができることをする

 『いまスポーツにできることリレー』、実は第一走者は私でした。陸上関係者の方から「トレーニング方法や感染症対策、メッセージを伝える動画をリレー形式でやってみませんか?」というご提案をいただき、全面的に賛同して始めることにしたんです。東京オリンピック延期にも、コロナウイルスにも負けずに、楽しみながらトレーニングをしていく前向きな姿を動画でお見せすることで、みなさんに少しでも元気をお届けできればと思って始めました。

 まずは個人的に仲が良く、女子短距離界を代表する土井杏南選手(昨年4月の復帰戦も一緒に走りました!)に連絡をしたところ、「ぜひ、やりたい!」と言ってくれたので、土井選手の次は女子やり投の北口榛花選手につなぐことまで決めてスタートした、というのが始まりです。

 私自身の動画ですが、ママアスリートということで、娘と一緒に使っているトランポリンを活用してのトレーニングをご紹介しました。ふだんの「もも上げ」や「スクワット」に、より刺激を与えることができます。少しハードなトレーニングかもしれませんが、トランポリンがなくても地面や床の上でもできます。できる範囲でいいので、ぜひやってみてくださいね(中身は詳しく次回で解説予定です)。また、わが家の感染症対策としては、タオルを家族で分けて1回1回使うことをご紹介しましたが、これもママアスリートならではかな、と思っています。

アスリートがつなぐトレーニング動画

 実はこのリレー、当初は女子と男子をわけて行われる予定で、女子は4月3日に私から、男子は4月7日にリオオリンピック男子4×100mリレー銀メダリストの飯塚翔太選手から始まりました。いつのまにか、男女入り混じる形になってしまっていますが(笑)、それはそれで陸上界一丸となって、という形で素敵だな、と思っています。

 私から土井選手、北口選手とつながったリレーは、その後走高跳の戸邉直人選手や、走幅跳の橋岡優輝選手などにつながっています。飯塚選手から始まったリレーは、その後山縣亮太選手、多田修平選手、白石黄良々選手、桐生祥秀選手、ケンブリッジ飛鳥選手、小池祐貴選手と男子リレーチーム(しかも全員オリンピックor世界陸上のメダリスト!)がバトンをつないでいます。

 動画のリレーは続いていますが、考えていた以上に多くの方々から感想や反響をいただき、陸上選手の注目度が上がっているのかと感じて、とてもうれしく思いました。また、今回は結果的にたくさんの方々によろこんでいただけるコンテンツになり、少しのアクションでも誰かを元気にすることができるんだ、と幸せな気持ちになりました。

 その後リレーはさらなる展開を見せ、4月15日に日本陸上競技連盟が公式に「ダイヤモンドアスリート編」を開始、4月17日からはJOC(日本オリンピック委員会)アスリート委員会も「#いまスポーツにできること」で強化競技者たちに動画配信を呼びかけ、競技の幅が広がっています。

 このようにトップアスリートの面々が、さまざまなトレーニングを公開していますので、ぜひ自分に合ったもの、興味のあるものをやってみてください! アスリートならではの感染症対策も多数紹介されていますので、参考にしてみてください。

 そして、今後リレーにこれから登場してくる選手たちも、お楽しみに~!

[プロフィール]
寺田明日香(てらだ・あすか)
1990年1月14日生まれ。北海道札幌市出身。血液型はO型。ディズニーとカリカリ梅が好き。会いたい人は、大谷翔平と星野源。小学校4年生から陸上競技を始め、小学校5・6年時ともに全国小学生陸上100mで2位。高校1年から本格的にハードルを始め、2005~2007年にはインターハイ女子100mハードルで史上初の3連覇。3年時には100m、4×100mリレーと合わせて同じく史上初となる3冠を達成。2008年、社会人1年目で初出場の日本選手権女子100mハードルで優勝。以降3連覇を果たす。2009年世界陸上ベルリン大会出場、アジア選手権では銀メダルを獲得。同年記録した13秒05は同年の世界ジュニアランク1位だった。2010年にはアジア大会で5位に入賞するが、相次ぐケガ・病気で2013年に現役を引退。翌年から早稲田大学人間科学部に入学。その後、結婚・出産を経て女性アスリートの先駆者となるべく、「ママアスリート」として、2016年夏に「7人制ラグビー」に競技転向する形で現役復帰した。同年12月の日本ラグビー協会によるトライアウトに合格。2017年1月からは日本代表練習生として活動した。2018年12月にラグビー選手としての引退と陸上競技への復帰を表明。2019年シーズンから競技会に出場し、6月に日本選手権女子100mハードルで9年ぶりの表彰台となる3位に入り、7月には100mでも自己記録を更新。8月には19年前に金沢イボンヌ氏が記録していた日本記録13秒00に並ぶと、9月1日に「富士北麓ワールドトライアル2019」で史上初めて13秒の壁を突破し、12秒97の日本新記録を樹立。カタール・ドーハで開催された「世界陸上」に出場。再び陸上競技選手として、2020年東京オリンピックを目指す。

◎所属企業:株式会社パソナグループ
◎主な記録:100mハードル日本記録保持者(12秒97)/100mハードルU20日本記録保持者(13秒05=2009年世界ジュニアランキング1位)/100mハードル日本高校歴代2位(13秒39)/100m:11秒63

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<Text & Photo:寺田明日香/Edit:アート・サプライ>