ライフスタイル
2020年3月25日

「働き方改革」が叫ばれる今、フリーランスこそスポーツ・運動を取り入れるべき3つの理由【体験記】

 行政主導で推進されている「働き方改革」。企業内における労働環境の改善とともに、ワークスタイルの多様化も進んでいます。そんな中、少しずつ増えているのがフリーランスとして働く方々。私もまた約7年半前に独立し、フリーランスという働き方を選びました。

 フリーランスの多くは、おそらく多忙な日々を過ごしていることでしょう。中には収入がなかなか安定せず、苦しい状況に立たされている方がいるかもしれません。しかし私はそんなフリーランスにこそ、ぜひ運動の習慣化をオススメしたいと考えています。ここではその理由について、実体験を踏まえながら詳しくお伝えします。

理由1.健康体質を手に入れることができる

 フリーランスにとって健康管理はとても大切。体調不良となれば仕事の効率が低下し、場合によって働けない状態に陥ることもあります。しかし会社員と違い、周囲に仕事を手伝ってくれる人はいません。どんな状況でも、自分でなんとかしなくてはいけないのです。もし体調不良で仕事に支障が出れば、相手からの信頼を低下させてしまい、結果として収入にも影響するでしょう。

 そこで、運動によって健康体質を手に入れることをオススメします。免疫力や体力の向上はもちろん、ダイエットによって肥満を原因とした健康リスクの回避も期待できるでしょう。そして運動が習慣化すると、運動を通じてその日の調子がなんとなく分かるようになります。「なんだか身体がいつもよりダルい」と感じれば、体調を崩す前兆かもしれません。しかしそれに気づければ、体調不良も未然に防げることが増えるはずです。

 私の場合、運動を始めたことで風邪を引くなどの小さな体調不良が減ったほか、体調を崩した際の回復力が高まったことを実感しています。例えば熱を出して寝込んでしまっても、大抵の場合は翌日に回復。長引くことはほとんどありません。

理由2.頭と心をリセットできる

 業務効率を高めるには集中力が欠かせません。しかし誰しも、常に集中し続けることはできないでしょう。そこで定期的に運動を行うと、良いリフレッシュの機会になってくれます。

 程よい疲労感は頭の中から雑念を消し去り、思考を整理してくれるような感覚になるでしょう。例えば私の場合、よく以下のようなタイミングでランニングに出かけ、走りながら考えるようにしています。

・何か判断すべきことがある
・提案、企画内容を整理したい
・返答に困るメールが届いた など

 すると、机に向かっていた際にはあれこれ悩んでしまっていた事柄も、走り終えることにはスッキリ解決できていることが多いのです。また、運動以外のことに思考を巡らせていると、長時間の有酸素運動でも疲れや辛さを感じる間もなく終えられます。

 そして運動を終えると、とても清々しい気分が味わえるでしょう。仕事の悩みなどからも開放され、心がリセットされるような感覚です。そして気持ちが前向きになり、「よし、また頑張るか」という気持ちになれます。心が再び仕事モードに切り替われば、高い集中力を発揮できるのではないでしょうか。集中力が切れかけて思うように仕事が進まないタイミングこそ、運動による恩恵を大きく感じられるはずです。

理由3.視野を広げるキッカケになる

 職種によって異なりますが、多くのフリーランスは家や仕事場にこもりがちではないでしょうか。時間が合わず友人・知人と会う機会が減ったり、仕事に追われて外に出る時間が取れなかったり。そもそも仕事自体を基本的に1人で行うというフリーランスは、自ら動かない限り人との接点が希薄になりがちです。

 しかし人との関わりが少ないと、どうしても視野が狭くなってしまいます。ただ仕事をこなすだけの毎日では刺激がなく、入ってくる情報も少なくなるでしょう。広く社会の動きが捉えられなければ、変化に対応できず失敗してしまうかもしれません。また、現在取り組んでいる以外の職種・業界との関わりがないと、仕事の幅は広がっていかないはずです。いくらインターネットによってさまざまな情報を得られる世の中とはいえ、人と人との関わりから得られるものは、それ以上の価値があります。

 運動を習慣化していくと、次第に同じような運動に取り組んでいる人との関わりが生まれてきます。それこそインターネットを通じて世界中の人と繋がれるわけですから、SNSをキッカケに交流が生まれたり、「もっと本格的にやりたい」とチームを探して参加したりすることも簡単です。そして運動は“身体を動かす”という側面から、人との繋がりがインターネット上に駆らず、リアルな場に繋がりやすいでしょう。そして運動を通じて知り合う人々は、仕事や地域など実にさまざま。仕事だけでは出会うはずもないような関わりができていくはずです。

 たとえば私はマラソンとトライアスロンに取り組んでいますが、この競技を通じてどれだけの人と出会ったか数え切れないほど。皆さんの仕事は営業や技術者、デザイナー、医師、税理士、経営者など多様で、そもそも「何をしている人なのかわからない」ケースが多いくらいです。しかしその中から仕事を頼まれたり、思いもよらない業界について知ることで仕事の幅が広がったりします。これはビジネスライクなものではなく、運動という共通点から生まれた繋がりだからこそ得られるものではないでしょうか。

歩く機会を増やす、階段を使う、ストレッチなどから始めよう

 フリーランスには、時間を自分でコントロールできるという強みがあります。明るい日中に太陽の陽を浴びながら運動したり、暑い時期は涼しい早朝・夜間にしたり。スポーツジムに通うのでも、平日の日中など安価なプランを選んで利用できるでしょう。フリーランスにとって、運動はそれほどハードルの高いことではないはずです。

 もちろん運動といっても、いきなり走ったり筋トレしたりする必要はありません。移動時に1駅歩くようにしてみる。あるいはエスカレーターではなく階段を使ったり、テレビを見ながらストレッチしたりするのでも良いでしょう。忙しい中でも、運動できる時間は思いのほかあるものです。

 まずはできることから少しずつ、運動のメリットや楽しさを感じて下さい。そこから少しずつ、日々に運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>