ライフスタイル
2017年9月15日

ラクして痩せる理想の運動法!?ぐうたら主婦が“スポーツ吹矢”にトライ!

  辛い運動はしたくない! でも健康的に痩せたい……。おそらくすべての日本人にとっての悲願。妊娠、出産を得てすっかりわがままバディへと変身してしまった筆者も、そんな夢のような願いを求めるうちの1人です。

 そんな筆者が今回注目したのが、“腹式呼吸と胸式呼吸を使った静かなエクササイズ”をうたうスポーツ吹矢。ん? 吹矢って時代劇などで忍者が使う道具なのでは? しかも、ダイエットや美肌効果もあるらしいのです。これはぜひ試してみたい!!

子どもから大人まで楽しめる、新国民的スポーツ

 さっそく、スポーツ吹矢を体験してみるべく、一般社団法人スポーツ吹矢協会が直営している東京・銀座の教室へお邪魔してきました。

 銀座の一等地にあるビルの一室を訪れてみると、数人の生徒さんたちがレッスンの真っ最中。ゆったりした音楽が流れる中、皆さん黙々と練習に励んでいます。そこには、都会の喧噪を忘れさせてくれるような、凜とした静けさが漂っていました。

「スポーツ吹矢は、来年20年を迎える日本生まれの比較的新しいスポーツです。現在、競技人口は5万4千人を超えており、ハワイやタイ、マレーシア、ニュージーランドなど海外でも親しまれているんですよ」

 そうお話してくださったのは、広報室の宇佐美綾乃さん。スポーツ吹矢の魅力は、誰にでもできる手軽さにあるのだそうです。

「いつでも、どこでも、手軽にできるのがスポーツ吹矢の魅力です。筒と矢、的さえあればすぐに始められます」

 矢は先端に小さく丸い金属がついていてビニールフィルムを丸めて留めたものなので、持ってみると軽くて柔らか。吹くときにうっかり吸ってものどに詰まらない安心設計です。

 そして、わかりやすいルールも特徴の1つです。

「的から一定の距離のスタートラインに立ち、場所ごとによって得点が決められた的に向かって矢を狙います。約3分間で5本を1ラウンドとし、規定のラウンドを競技します。合計点の高さで勝利を決めるシンプルなルールなので、幼稚園に通うお子さんから90歳以上のシニア世代まで、幅広い年齢層に楽しまれているんですよ」(宇佐美さん)

 では、気になるダイエット効果について、ずばり、痩せられるのでしょうか!?

「スポーツ吹矢は、胸を膨らませて呼吸する胸式呼吸と、横隔膜を主に上げ下げして呼吸する腹式呼吸の両方を使います。胸式呼吸は普段の生活で行っている呼吸法ですが、腹式呼吸はヨガをする時などで使われる呼吸法でリラックス効果があります。たくさんの酸素を取り込むため、ときには汗ばむほど血流が良くなるんです。また、一気に息を吐き出すことで腹筋にかなりの負荷を与えることができます。練習に励んだ次の日、腹筋が筋肉痛になる人もいますよ」(宇佐美さん)

 そのほかにも、ぜんそくや便秘の改善、集中力のアップなどさまざまなメリットがあるのだとか。ここまでイイことずくめとは! これは試さずにはいられません!

いよいよ実践! まずは型をお勉強

 百聞は一見にしかず、ということで実際に体験してみました。スポーツ吹矢には型基本動作があり、それに則って行います。公認指導員の資格を持つ宇佐美さんにレクチャーしていただきました。

 1)的に向かって一礼

2) 的に対して約45度の角度で立ち、足を肩幅に開いて立つ。

3)矢を入れた筒を両手で下に持ち、鼻から息を吸いながら筒を持ち上げる。

4) 口から息を吐きながら筒を下ろし、鼻から息を吸いながら筒を構え、しっかりと咥えて一気に息を吹き出す

5) 的に向かって一礼

 この礼に始まり、礼に終わる動作を行うことでしっかりと息を吸うことができ、吹矢をより強く吹くことができるのだとか。一通り型を覚えたところで、いざ本番! 1ラウンド5回に挑戦しました。

思い切って一吹き! な、内臓が飛び跳ねてる!?

 型の流れを間違いそうになり若干混乱しつつも、的に集中しながら一気に一吹き。その瞬間、内蔵が飛び跳ねるような不思議な感覚がありました! これが、横隔膜が動いている感覚なのでしょうか。ここまで内蔵が動くのであれば、確かに便秘も解消しそう。そして、普段の生活では使わないような筋肉の動きも感じられました。こ、これは効きそう……!

 肝心の矢の行方は、シュッ、スポッという軽やかな音とともに見事的に命中! しかも一番の高得点である7点の部分に刺さりました。

「すごいですね! 初回で7点取れる人はなかなかいないですよ。岸野さん、才能ありますよ!」(宇佐美さん)

 宇佐美さんに褒められて、調子に乗った筆者。2回目は気が緩んだのか、筒を口でふさぐときに隙間ができてしまい、うまく飛ばず1点に。集中力が散漫になると矢に影響するのでしょうか。うーん、奥が深い。

 その後、7点を2回、0点を1回獲得し、合計22点を獲得しました。カメラのことを気にしながら吹いた時は、的に当たらず0点となってしまったので、スポーツ吹矢はメンタルのスポーツと言えるかもしれません。

 また、体験した後にもう1つ気づいたのが、矢を吹く度に行う筒を上げ下げする動作が、地味に二の腕に効くということ。今回使わせていただいた筒の重さは350g程度とのことでしたが、細長い筒の端を持って動かしている分、負荷があるように感じました。普段の生活でここまで腕を上げ下げする機会はあまりないだけに、二の腕のシェイプアップにも効果がありそうです。実際に、宇佐美さんもスポーツ吹矢を始めてから、二の腕が締まってきたことを実感したそう。

 走り込んだりするようなハードな運動要素は皆無でありながら、しっかりと体を鍛えることができ、しかもゲーム感覚で楽しめる――。スポーツ吹矢は、まさしく理想のダイエット法と言えるのではないでしょうか?

【公式HP】一般社団法人スポーツ吹矢協会
http://www.fukiya.net/

<Text : 岸野智子(H14)/Photo:辰根東醐>