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2019年8月1日

トライアスリート必読。筋肉トレーニングのバイブル『トライアスロン アナトミィ』│スポーツがしたくなる今月の1冊

 こんにちは、“走る”フリーライターの三河です! 夏はトライアスロンのレースシーズン。全国各地で大会が開催されています。中には、今年初のトライアスロデビューを遂げたという方がいるかもしれません。また、レースを終えて課題を見つけ、さらなるトレーニングに取り組もうという方も少なくないでしょう。今回はそんなトライアスリートに、ぜひおすすめしたい一冊『トライアスロン アナトミィ』をご紹介します。

トライアスロンにおける「筋肉」「動き」にフォーカス

 トライアスロンのハウツー本といえば、書店などでもいろいろなものが見つかります。しかしその多くは、各種目の技術などに関するものでしょう。本著も、やはりトライアスリートに向けたハウツー本。しかしその中身は、「筋肉」や「動き」にフォーカスしています。

 例えばコアトレーニングが、具体的にトライアスリートにとってどんなメリットをもたらすのか。また、各部位の筋力トレーニングが、競技中どのような場面で活かされるのかなど。1つ1つの筋肉、また競技中の動きと照らし合わせながら、細かに解説されています。そのため、自身の課題に応じて「やるべきこと」が見えやすく、また、本著に取り上げられているトレーニングにも納得感があるでしょう。

 本著では腕や肩、胸など、部位毎にトレーニングが分けて取り上げられています。そのため、鍛える部位を基準として、目的の情報にたどり着きやすい構成です。また、例えば「自転車の乗り方」のような技術ではなく競技全体の土台となる筋肉にフォーカスしたトレーニングのため、初心者から上級者まで幅広い層をカバーする内容となっています。トレーニング時に持ち運び、辞書のように扱いたいと思える一冊です。

細かな解説とイラストで理解しやすい

 本に書かれたトレーニングを実践する際、難しいのが「正しい姿勢・動き」を体現することにあるでしょう。本来と違う動きが混ざってしまうと、いくらトレーニングしても効果は下がってしまいます。

 本著ではトレーニングごとに、動きを可視化したイラストが描かれています。さらにイラストにはトレーニング時に使用する筋肉が色付けされたうえ部位名も併記されているので、「どこを使っているか」を意識しながら行えば、より理想に近い動きでトレーニングが行えるでしょう。

 また、トレーニング時の動きについては、ステップ毎に文章でも解説されています。「何をどうするのか」が順序立てて書かれているため、初めて実践するトレーニングも容易に行えるはずです。

 そしてポイントなのが、『トライアスロンのここに聞く』という項目。トレーニングで鍛えた部位がトライアスロンでどんな課題を生みやすく、結果的にどんなメリットをもたらすのか。トレーニングに取り組んだ未来の自分をイメージできるため、大きなモチベーションとなるでしょう。最初に『トライアスロンのここに聞く』を読んでから自分の動き・課題と照らし合わせると、意識が高まりトレーニング効果の向上も期待できそうです。

 スイム・バイク・ランの3種目で競うトライアスロン。やることが多いからこそ、効率的なトレーニングが求められます。泳ぐ、自転車を漕ぐ、走るという競技に即したトレーニングは、もちろん効果的でしょう。しかし身体を動かす土台である筋力を鍛え、その動かし方を身に付けることも、競技力アップに重要なはずです。初トライアスロンでゴールを目指す方から、記録を求めるトライアスリートまで。トレーニングのバイブルとして、ぜひ読んでみてください。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>