インタビュー
2018年2月5日

SKE48・須田亜香里&惣田紗莉渚×バレエ 特別対談(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#8 (1/3)

 スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載「アイドルと、スポーツと、青春と。」。

 第8回は、名古屋を拠点に活動するSKE48の須田亜香里さんと惣田紗莉渚さんによるスペシャル対談です。実はこの2人、ともにクラシックバレエの経験者。また、握手会での“神対応”など、地道な努力の末に「AKB48選抜総選挙」(以下、「総選挙」)で上位ランクインを果たしたという共通点があります。

 はたしてクラシックバレエで得た学びは、アイドル活動を続ける中でどのように活かされているのでしょうか。後編では、お互いが共感する“バレエあるある”も含めて伺いました。

▼前編はこちら

SKE48・須田亜香里&惣田紗莉渚×バレエ 特別対談(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#8 | 趣味×スポーツ『MELOS』

コンクールや発表会に出るために試行錯誤

——コンクールに出られる人は、日々のレッスンのでき栄えによって決まるんですか?

須田 基本的にはそうだと思います。うちのバレエ団は、センターレッスンのときに先生が上手な順番に並ばせていたので、実力がわかりやすかったですね。毎回のレッスンのでき栄えで立ち位置が変わるんです。

惣田 え、怖い……!

須田 私、みんなより出遅れていたので、最初はいちばん後ろの端っこにいたんです。だから、絶対にセンターになろうと思って練習してました。いちばん上手な子を見ながら「何が違うのかな?」「あの子より綺麗に見せるにはどうすれば?」って、自分との違いを探して研究していました。だから、実際にセンターのポジションに選ばれたときは本当にうれしかったですね。頑張り始めてから2〜3年くらい時間はかかりましたけれど。

惣田 私の通ってたところは、センターレッスンで立つ場所は特に決められてなかったです。でも、先生からは「前の真ん中の方に行きなさい」って言われてました。SKE48に入ったばかりの頃にも、ダンスの先生から同じことを言われたんですよ。だから、前に出る気持ちや姿勢を見せるのは、バレエもアイドルも重要なんだなって思いましたね。

▲須田亜香里さん

——クラシックバレエは、コンクールのほかに発表会もあるんですよね?

惣田 私の通ってた教室では年に1回ありました。大きい作品をやるわけではないんですけれど、上手な子はソロで踊れるんです。だから、それを目指して練習していました。中学2年生のときに『ドン・キホーテ』のキューピッド役を一人で踊れたときはうれしかったですね。

須田 私の通っていたスクールでは、バレエ団本部と支部の発表会がそれぞれにあるほか、大人と一緒に生オーケストラで踊る本公演というものもありました。出たい人が届出をすると、そのうち壁に配役が張り出されるんですよ。中でも中学1年生のときに『コッペリア』の主役・スワニルダに選ばれたときは、なんだか頂点に立っている気分がしましたね(笑)。

——良い役をもらえたときは親御さんもうれしいでしょうね。

須田 すごく喜んでくれます! 発表会があると親戚やお友だちまでたくさんの人が来てくれますね

惣田 みんな、お花を持ってきてくれるから、そのお返しを渡したりもします。

須田 そうやって喜んでくれるのに、一度だけすごくひどいことを親に言ってしまったことがあります。当時は本番でしくじらないようにいろんなジンクスをつくっていたんです。自分の出番が来る前にゾウのぬいぐるみを触るとか。でも、あるときミスをしちゃったんです。それで、その言い訳を「お母さんが見に来たから失敗した」って考えてしまって、お母さんに「もう見に来ないで!」って言ってしまったことがあって。一時期すごく険悪で、まったく話さない時期がありました。

惣田 そういう意味では、うちの母親はけっこう口を出してくるタイプですね。あるとき「紗莉渚は人より高く飛んで目立ってるけど、周りに合わせるのが苦手みたいだね。ひとりで踊ってるときの方が良いよ」って言われたことがあって(笑)。当時は、先生からも「鏡の世界に入って、ひとりで踊ってる。自分の世界に入っちゃう“夢見夢子ちゃん”だね」って言われたこともあるし、変わり者というか、そこは今でも変わらないですね(笑)。

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