インタビュー
2017年5月19日

AKB48佐藤朱「テニスのない生活は想像できない」(後編)│新連載「アイドルと、スポーツと、青春と。#1」 (1/3)

 スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載。

 第1回はAKB48チーム8の宮城県代表、佐藤朱さん。前編では、高校2年生時に硬式テニスのシングルスでインターハイ(全国高等学校総合体育大会)に出場した経験を持つ彼女に、始めたきっかけや競技生活で印象に残っている場面について聞きました。

 後編では、好成績を修めた直後にAKB48のオーディションを受けた理由や、今後の展望を語ってもらいました。

口の中で血の味がしないと、練習した気にならない

——佐藤さんが所属するAKB48チーム8のオーディションは2014年1月から行われていました。なぜこの時期にオーディションを受けようと思ったのですか?

当時、私は高校2年生で、インターハイに出場した直後だったんですけど、AKB48の楽曲に支えられていたんです。テンションを上げるときにも聴いていたし、疲れたときの癒しもAKBでした。そんなときにオーディションの話を耳にして、受けてみようと。今度は自分が誰かを支えられる存在になりたいなって思ったんです。でも、もし普通のオーディションだったら受けなかったですね。地元開催だったのと、受かったら宮城県代表として活動するというチーム8のコンセプトに興味がそそられました。

——オーディションでもテニスのことはアピールしたんですか?

ラケットを持って行って、テニスキャラを全面に押し出しました(笑)。

——テニスで好成績を残した直後ということで周りから反対されなかったのでしょうか?

受かった直後は、両親からも「やめたほうがいいんじゃない?」て心配されました。テニスがどうこうっていうよりも、芸能界って普通に生活していたら未知の世界じゃないですか。だから不安だったのかなって思います。でも、オーディションに受かったのに辞退したら「やっておけばよかった」って後になって後悔しそうだなって思ったんです。それはイヤだったし、自分の代わりに入った人が楽しそうに活動してるのを見たらすごく悔しいだろうなって思って。

——そういえば、AKB48の先輩である島田晴香さんが、テレビ番組「ネ申テレビ」(ファミリー劇場)でテニスを活かした企画に挑戦していたこともありましたね。

あの番組は私も見ていました。そういうこともあって、自分の能力を活かす機会があるんじゃないかって思ったんです。

——テニスの大会のためにAKB48のイベントを欠席したこともありましたよね。そうしたなかで練習時間を確保するのはなかなか難しかったのではないでしょうか?

そうですね。土日にAKBの活動が入るので、必然的に練習量は減ってしまいました。それでも週に4回は練習をしていたんですけど……。全然ダメでしたね。

▲中学時代、地元テレビの取材を前にプレイする姿

——アイドルの活動をしながらその練習量はハードだと思いますが……。

でも、それじゃぜんぜん足りなかったです。やっぱり1年間でほかの子たちは自分よりも多くの練習を積んでうまくなっているので。高2でインターハイに行けなかった選手たちの意気込みにはぜんぜんかなわないんですよ。

——高3のときの大会成績はどうだったんですか?

宮城県でシングルスはベスト8、ダブルスはベスト4。どちらも、あとひとつ勝てばインターハイに出られるってところだったんですけどね。

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