インタビュー
2017年12月14日

子どもからお年寄りまで水泳の楽しさを普及したい。北島康介がキタジマアクアティクスで目指すもの (1/2)

 11月23日に行われた、北島康介さんが設立したスイミングクラブ・KITAJIMAQUATICS(キタジマアクアティクス)によるスペシャル水泳教室。元競泳日本代表の細川大輔さんを中心とした一流スイマーのインストラクターの指導のもと、多くのキッズが楽しく泳ぎ方を学び、大盛況のうちに終了しました。当日、スペシャルゲストとして登場した北島康介さんにキタジマアクアティクスを設立した理由や、目指していることなどお話を伺いました。

水泳普及を目的にキタジマアクアティクスを設立

—今日のイベントは、子どもたちがとても楽しそうにレッスンを受けているのが印象的でした。

ありがとうございます。子どもたちに楽しみながら水泳を学んでもらうことで、水泳を普及するきっかけ作りができたらうれしいですね。

▲イベント中、子どもとふれあう北島さん

—キタジマアクアティクスを設立しようと思ったきっかけにも通じるものがあるのでしょうか。

そうですね。2008年に同期の細川(大輔)が選手を引退して、その後子どもたちに水泳の指導をしていたんです。一方で僕は2009年に独立し、個人でマネジメント会社をやっていこうと思っていたときに、彼の方から僕と一緒に水泳を普及していきたいと言ってきました。当時、選手として現役だった自分にとってそういう活動は負担になるんじゃないかという懸念もあったんですけど、やっぱり現役である自分にしかできないこともあるなと。子どもたちと大人に向けて、水泳に親しんでもらうきっかけを作れるような活動を一緒に始めようと思い、キタジマアクアティクスを設立しました。

—キタジマアクアティクスの特徴としては、どんなことが挙げられますか?

「速くなりたい」って思うお子さんが多いと思うんですけど、子どもたちには強化っていう部分ではなく、まずはきちんと泳げるようになるのを目標に、段階を踏んでステップアップしていくというプログラムを組んでいます。他にも、自分が日本で得た知識と、アメリカでトレーニングした経験から学んだことをプログラムに取り入れています。たとえば、入水前にありきたりのウォーミングアップと腹筋・背筋をするんじゃなくて、プールサイドで大人も子どもも必ず水に入ったときに意識するべき体感を鍛えるトレーニングをしたり、腹圧を入れるトレーニングなどを行います。あと、フィンスイミングやライフセービングのクラスもあるので、競泳だけじゃなく、さまざまな水の楽しみ方を広めているというのもうちの特徴ですね。

—インストラクターは若い方が多いように見受けられましたが、何か意図はあるのでしょうか?

うちは特に年齢制限はないですが、キタジマアクアティクスは子どもから大人まで通ってるので、幅広く対応できるという面で柔軟性のある若い子の方がいいというのはあるかもしれません。それに、若い方が育てやすい(笑)。今、世界で主流のトレーニングは何なのか、最新の情報を取り入れられるようアンテナを張ったり、アメリカに研修に行ったりと、指導者の育成にも力を入れています。我々も日々アップデートしていけるように取り組んでいます。

—知識が豊富で、しかも年齢が近いとなると、子どもたちも楽しんでレッスンを受けられますね。

そうですね。「なんでできないんだ」って投げ出すんじゃなくて、ひとりひとりに向き合って、「この子はここが苦手だからこういう風に教えてあげよう」とか、苦手意識を作らないように気をつけています。子どもたち限定なんですけど、レッスンが終わったあとにコメントシートを書いて、「ここがよかった」とか「次はここを頑張ろう」とか書いて渡してあげる取り組みも行なっています。密なコミュニケーションは意識してとるようにしていますね。

—選手を育成したいという目的はあるのでしょうか。

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